小顔治療やシワ取りなどに効果があるボトックスですが、ボトックスには色々な種類があります。
種類ごとにどのような違いがあるのかご紹介します。
ボトックスとは?
ボトックスとは、A型ボツリヌス毒素を製剤化した人体に無害なタンパク質の一種で、筋肉の収縮を弱める働きがあります。
主にシワ取りや小顔治療に使用されています。
「ボトックス」とは実は商品名のことで、正式な名称ではありません。
美容領域で使用されるものは「ボトックスビスタ®︎」と呼ばれるもので、多汗症などの保険適応で使用されるものが「ボトックス」です。
代表的なボトックス製剤
ボトックスビスタ(アラガン社 アメリカ製)
「ボトックス」の名称を一般化した元祖ボツリヌストキシン製剤です。
厚生労働大臣によってシワ等の美容領域での使用が承認された、日本国が唯一認可しているボツリヌストキシン製剤です。
熱に弱い、若干複合タンパク質を含むという欠点がありますが、世界的に流通していて品質の管理も十分であり、症例数も最多であるために安心して使用できる製品です。
抗体もできにくいとされており、効果の持続性も他の安価なボツリヌストキシン製剤よりも高いと言われています。
(効果が感じられなければ打ち直しできるなど、効果の保証付きの美容クリニックもあります。)
他のボツリヌストキシン製剤に比べると割高にはなりますが、安全性と信頼性を重視するならおすすめの製品です。
効果発現は7日〜 持続期間4〜6ヶ月
【取り扱いクリニック】
湘南美容外科(20000円)
品川美容外科(18000円)
高須クリニック(150000円)
その他ほとんどのクリニックで取り扱いあり
ゼオミン(メルツ社 ドイツ製)
他のボトックス製剤と比べて、常温保存ができるため、輸入過程でも製剤の安定性がある製品です。
米国FDA、欧州のCE、韓国のKFDAの承認を受けており、安全性をとるならば一番信頼度が高いと言えます。
また、不純物も少なく、長期的に使用しても抗体ができにくいとされます。
しかし、抗体ができて効かなくなるというのは、現実的に医療的な使用でかなりの量を使用した場合や、かなりの頻度で繰り返した場合に限るので、耐性を気にしてわざわざゼオチンにする必要性は疑問です。
この理由から、取り扱いクリニックも少なく、取り扱っていたとしても価格が高めです。
効果発現 3日〜 持続期間4〜6ヶ月
【取り扱いクリニック】
クロスクリニック(80000円)
城本クリニック(10000万円)
ニューロノックス (メディトックス社 韓国製)
ボトックスビスタの後発品で、ほぼ同じ効果を得ることができ、ボツリヌストキシン製剤の中でダントツで安いのがニューロノックスです。
安いにも関わらず、きちんとKFDA(韓国食品医薬安全庁」のお墨付きなので、それなりに安全性は確保できている製剤です。
抗体の問題、温度変化による効果のバラツキなどもボトックスビスタと同様です。
効果発現は7日〜 持続期間は3〜6ヶ月
【取り扱いクリニック】
品川美容外科(初回1840円 2回目以降8800円)
中央クリニック(8100円)
城本クリニック(58000円)
ディスポート(イプセン社 英国製)
ヨーロッパでは既に20年近く使用されており、世界23カ国でしわ治療目的で使用されています。FDAから認可も得ている製品ですので安全性もあります。
拡散性があるため、エラに使用すると口角を上げる筋肉にまで作用してしまう恐れがあるため、主にシワ取りにのみ使用されます。
効果発現 持続期間 4〜6ヶ月
【取り扱いクリニック(シワ取りのみ)】
共立美容外科
アンジュール横浜クリニック
メディトキシン(テピョンヤン社 韓国製)
価格が安く、韓国では占有率ナンバーワンの韓国製ボトックスの代表。
【取り扱いクリニック】
日本ではほとんどなし
リジェノックス(ハンズバイオメド社 韓国製)
価格が安いですが、韓国では食品医薬品局の認可も受けており一定の安全基準はクリアしており、効果もきちんと出る製剤です。
しかし、ボトックスビスタに比べて効果にムラがあること、他の製剤に比べて不純物が多いため、抗体ができやすいのが難点です。
効果発現7日〜 持続期間4〜6ヶ月
【取り扱いクリニック】
湘南美容外科(9720円)
イノトックス(メディトックス社 韓国製)
イノトックスは、世界初の液状のボツリヌス製剤です。
他の製剤は粉末状のものを注射前に溶解するのですが、イノトックスは溶解する必要がないため、濃度のブレや細菌汚染のリスクが低くなります。
また、アルブミンなどのタンパク質全く含まないので抗体ができないため、継続したい方にはおすすめの製剤です。
特徴として、他製剤に比べ効果の出方が早く、持続期間が長いという報告もあります
効果発現は2日〜 持続期間は5〜6ヶ月〜
【取り扱いクリニック】
銀座KS SKIN CLINIC(58000円)
フィラークリニック(25000円)
BTXA(Lanzhou社 中国製)
かなり安価な製剤ですが、豚のコラーゲンを使用しているため、他のボツリヌストキシン製剤に比べてアレルギー反応が出やすく、ボツリヌストキシンの単位にもバラつきがあり、一度多量に注入してしまうと抗体ができて、以降効果が得られなくなる恐れがあります。
【取り扱いクリニック 】
日本ではなし
クリニックによる価格のばらつき
クリニックによって価格にばらつきがあるのは、まず自由診療であるため価格設定はクリニック側が決めるためです。
大手だと大量に仕入れたり独自の入手ルートがあるため、設定価格も安めになります。
また、クリニックで取り扱っているボツリヌストキシンの種類によってかなり価格は違います。
上記でご紹介したように、安全性の高いもの、新しい製品だと価格は高めで、韓国製や中国製だとぐっと値段は下がります。
身体に入れるものなので、値段の安さだけで選ぶのは危険ですが、半年程度の効果のものにあまりに高い金額を払いすぎるのものどうかと思います。
同じ製剤でも価格が一桁0違うクリニックもあるので、値段と安全性のバランスで選ぶことをおすすめします。
過去のボトックスの体験談
私は過去に数回エラのボトックスを行なっていますが、クリニックによって手技や価格、効果がバラバラでした。
・大手Sクリニック A医院
価格15000円弱程度 (2倍量注入)
種類:ニューロノックス
手技:針でエラ一箇所ずつのみ一気に注入される。片方内出血になる。
効果:1ヶ月後あたりから、一部分だけエラが凹んでコケた不自然な輪郭に。
・大手Sクリニック B医院 (大手)
価格1万円弱
種類:ニューロノックス
手技:片側3箇所ずつ刺されて注入される。
効果:3週間くらいから徐々にほっそりとしてくるが物足りない結果に。
・Sクリニック C医院 (大手)
価格15000円弱 (2倍量)
種類 :ニューロノックス
手技:片側数カ所ずつ、細かく注入される。
効果:かなり細くなり、周りからも痩せたと心配される。自分でと少し戻りがある頃がちょうど良い感じだった。
・Lクリニック D医院(大手)
価格:10000円程度
種類:リジェノックス
手技:麻酔テープを貼った後片側数回ずつ注入される。
効果:ちょうど良い感じに細くなった。頬がコケたりしなかったが、戻りも早かった。
・Yクリニック(個人)
価格:30000円
種類:ボトックスビスタ
手技:細い針で丁寧に何十箇所ずつも微調整しながら注入される。刺される回数分痛みがあった。
効果:効果は4ヶ月以上持続。バランスよく細くなり、理想的な輪郭になった。
数カ所できた内出血がしばらく消えなかった。
まとめ
いかがでしょうか?ボトックスの種類やクリニックによって、かなり効果にバラつきがあります。
クリニックやボトックス選びの参考になれば嬉しいです。