実は現在わたしの顎には13年もののプロテーゼが入っております。
顎プロテーゼを入れるまでの経過をまずお伝えしたいと思います。
初めはヒアルロン酸でお試し
元々顎なしで、口を閉じると顎に梅干しができる顎でした。
短く引っ込んだ顎。
そのせいで丸顔に見えてしまって、自分の顎が嫌いでした。
14年ほど前、試しに鼻と顎にヒアルロン酸を入れてみました。
すると、劇的に雰囲気が変わりました。
鼻も感動したのですが、
特に感動したのは顎の方でした。
顎があるだけでかなり垢抜けた印象になりったのです
!!
プラス、口を閉じた時の顎の梅干しも若干解消されました!!
顎の整形は、効果は絶大なのに、鼻や目より地味な場所なためバレにくいんです。
それからヒアルロン酸を何度かリピートしました。
色々なクリニックで注入しましたが、病院によって入れ方やモチの良さは様々でした。
【ヒアルロン酸の種類】
ヒアルロン酸の種類には、レスチン、パーレン、subQなど様々な種類があります。その種類によって分子の大きさや持続期間は異なります。
分子が大きい程持ちの良さは比例してよくなるようです。
顎の場合、皮膚が分厚いため、凸凹になったりする心配がほとんどないため、分子が大きく持ちが良いヒアルロン酸の方が向いています。
クリニックを選ぶ際は、価格だけではなく取り扱っているヒアルロン酸の種類にも注目する必要があります。
【ヒアルロン酸の価格】
価格もクリニックによって様々ですが、安すぎるところは要注意です。
料金設定が安すぎるクリニックでは、純正のヒアルロン酸ではなく、中に麻酔を入れてかさ増しされていることも多く、注入後数日で物足りなくなってしまうこともありました。
安くても持続時間が短いと、結局頻繁に入れ直ししなくてはならず、結果的に高上がりとなってしまうこともあります。
【注入方法】
注入方法は、ほとんど外側から注射器で注入する方法が一般的。
しかし、中には口の中から注入してくれるクリニックもありました。
外側からだと内出血や針後が残りますが、口の中からのアプローチだとその心配がありませんでした。
しばらくは、口の中から注入してくれるクリニックに通っており、毎回効果は満足でした。
【このまま一生ヒアルロン酸?】
効果は大満足でしたが、このまま一生注射を打ち続けなければならないのかとだんだん先のことを考え始めました。
毎回毎回痛い思いをし、お金がかかること、何より減ってきて顎がなくなるという不安に晒されるのが耐えられなくなりました。
結局、顎にプロテーゼを入れることを決意。
顎プロテーゼについての情報収集
鼻に関しての情報に比べると顎に関しての情報は圧倒的に少ないですが、私が調べてわかったこと、加えて私の考えをお伝えします。
鼻はオーダーメイドのプロテーゼを入れてくれるクリニックが多い中、顎に関してはほとんどが既製品です。
良くて、既製品に少し手を加える程度。
プロテーゼの形も、かまぼこ型、ブーメラン型など様々で、入れる形によってだいぶ仕上がりも違ってきます。
デザインも重要ですが、厚さも大事です。
だいたいが厚み4mm程度から12mm程度のものを入れる方が多いようです。
あまり大きすぎたり厚すぎるものを入れると、顎が長くなったり、猪木のような顎になってしまう心配もあります。
しかし、掲示板の書き込みを見ていると、意外と「もっと大きなものを入れればよかった」と物足りなさを感じている方が多いようでした。
せっかく痛い思いをして、高額なお金を払って、ダウンタイムの辛い時期も経験するのですから、バレたくないからと控えめすぎるデザインを選ぶのは勿体ないのかもしれません。
整形する時、失敗や周囲にバレるのを恐れて
「バレない程度」
「控えめに」
「自然に」
とオーダーする人が多いですが、
バレない程度=変化が少ない
なので、せっかく手術をしてもほとんど術前と変わらず、物足りなさを感じてしまう方も多いのです。
整形の難しいところは、バレバレは嫌だけど、変化は欲しい…といった、この微妙な境目のラインをどう決めるか…にかかっていると思います。
医師の手術の腕はもちろん、医師のセンスと、きちんと患者側の意見を聞き、理解してくれるかが大事です。
失敗とは、明らかな失敗の他に、患者側の美的感覚と医師の美的感覚のズレから生じるものもあります。
医師側からすれば大成功と思っていても、患者側が「思っていたのと違う」と感じてしまえば、それは成功とは言えません。
私は、どうせプロテーゼを入れるなら、きちんとオーダーメイドで顎プロテーゼを作成してくれるクリニックがいいと思い、オーダーメイドプロテーゼに絞ってクリニックを探しました。
すると、少ないながらもいくつかのクリニックが該当しました。
しかし…私の場合、問題点が。
それは…私の顎にはヒアルロン酸がすでに入っているということ。
本当は、ヒアルロン酸が完全になくなってからの手術が望ましいのです。
しかし、私はヒアルロン酸なくなるまで待てませんでした。
そして、徐々に顎なしにもどる過程も経験したくなかったので、どうしてもヒアルロン酸が入った状態でも手術をしてくれるクリニックがよかったのです。
ヒアルロン酸がある状態で手術を引き受けてくれる病院はさらに少ないのが現状でした。
一般的に断られる理由としては、感染のリスクが上がる、術後のイメージ(最終的にヒアルロン酸がなくなった状態の完成形)がイメージしにくいなどの理由からです。
問い合わせやカウンセリングを受け続け、ようやく私の条件に対応しているクリニックを見つけました。
銀座◯◯◯通りクリニックというところです。
顎プロテーゼを入れるまで
いざカウンセリングへ。
当時そのクリニックはオープンしたばかりでした。キャンペーン価格で手術費用が安かったということもあり、クリニックはかなり混雑していました。
実際にカウンセリングを受けると、先生の印象はHPとかなり違っていて、かなりぶっきらぼうな感じでした。手術の説明も最小限でした。
カウンセリング終了後、すぐに別室に案内されました。
看護師?事務?らしき人から料金などの説明を受け、
今日すぐに手術すれば15万円で手術できるよとのこと。(通常、顎のプロテーゼの手術費用は30万円程度です。)
この時点での時刻は17時頃。
帰りの新幹線の時間もあるし、急に決断を迫られ焦りました。
後日改めてではダメか聞くと、
後日では料金が高くなると言われました。
なんじゃそりゃ…と怪しく思いましたが、15万円はかなり破格値だったため、
結局金額に負け強行突破で手術を決意!
手持ちがなかったので、すぐ近くの銀行に走りお金をおろし、現金で支払い。
この時間(外はもう暗い)からの手術で、しかもこんないきなりで大丈夫かとドキドキしましたが、もう後には戻れません。
プチ整形はしたことがあっても、メスを入れるのは初めて。
オーダーメイドプロテーゼ なので、ドキドキしながらプロテーゼの作成時間を待ちました。
先生はレントゲン画像を元にプロテーゼを一から作成してくれました。
わたしのオーダーは
- 顎は欲しいけど顔が長くならないようにしてほしい
- きちんとEラインになるようにしてほしい
- 今入っているヒアルロン酸がなくなった状態を計算して入れたい
- なるべくバレない程度、自然にして欲しい
でした。
きちんとこの希望が取り入れられるかどうか心配でしたが
いよいよ手術の時間となりました。
手術の感想
手術室にようやく案内され、手術開始です。
ベッドに寝かされ、いきなり局所麻酔を顎にブチっ、ブチっと何箇所か打たれました。
結構痛い……
で、すぐ切開に入ろうとしたため、慌てて
「実際にいれるプロテーゼ を一度見せて欲しい」
と伝えました。
そりゃあ、自分の体内に入るものだし確認はしておきたい気持ちは当たり前だと思います。
しかも、オーダーメイドなのでどんな形に仕上がっているのか想像もできないのです。
しかし、医師の反応は最低最悪。
「えぇ…。見たって仕方ないよ。見て何になるの」
と言われました。
しまいには「はぁ〜」とため息をつかれる始末。
私は
やばい…
やめておけばよかった
と思いました。
患者の要望に面倒くさそうにしていること自体ありえません。
どうせ見てもわからないでしょ、とか馬鹿にした態度も頭にきます。
でももう手術は始まっています…
仕方ない感じて一瞬見せられたプロテーゼは、ネットで見たどのプロテーゼにも該当しない形と色のもので、私の想像とはまるで違うものでした。
伝えるのが文章だけでは難しいのですが、半透明の半円形の荒削りのものです。
え、これが入るの?
とさらに不安に…
でも、きちんと私のレントゲン写真を元に作られたものだし…
医師の態度はありえないけど、腕さえしっかりしていればいいかな…
と半ば強引でしたが、もう自分を納得させるしかありませんでした。
麻酔の後はメスで口の中(下唇の内側あたり)を切られます。
麻酔のおかげで痛みはありませんが、術中はとても気持ち悪い感覚でした。
ある程度切開を入れたところで、ゴリゴリ、ゴリゴリと骨と皮膚を剥がされるような感覚と音。
これが一番気持ち悪かったです。
痛みはなくても感覚だけは消えません。
早く終われ、早く終われ!
と何度も願いましたが、手術時間が異様に長く感じたのを覚えています。
説明されていた時間は15分から30分でしたが、結局1時間以上かかりました。
プロテーゼらしきものが顎に入れられる時も、思いっきり切り口を手で開かれ、
こんなに引っ張ったら皮膚ちぎれちゃうんじゃないの!??
って思うほど引っ張られ、ぐちゅぐちゅ顎をいじられました…
口の中の血や唾液もずっと吸引されていて、口の中が乾きすぎて気持ち悪い。
いっそ、全身麻酔をかけて欲しいと思ったほど本当に気持ち悪い体験でした。
終わったあとは口の中は血の味がして、さらに気持ち悪さが増しました…
終わると茶色いテープで固定されて終了です。
舌で切り口を触ると、縫った後の糸の感触が生々しくありました。
糸は溶ける糸だそうで、抜糸の必要はないとのこでした。
術後の顎は麻酔のせいもあり少し腫れており、顎は以前より長くなっていました。
術後のダウンタイム
【腫れの程度】
だいたい顎のプロテーゼのダウンタイム期間はどのクリニックホームページでも1週間程度と記載されています。
私の場合も大まかな腫れは1週間程度でした。
プロテーゼを入れた翌日が一番腫れがひどく、内出血も多少出ました。
1週間くらいは、少し猪木顎+下膨れ状態。
最初からそういう顔、と言われれば、そう見えなくもない程度の腫れです。
当時実家住まいでしたが、家族にもあまり顔を合わせないようにしてなんとかダウンタイムをしのぎました。
そのおかげで、家族にバレたり指摘されることは一切ありませんでした。
1週間後に彼氏にも会いましたが、これも特にバレませんでした。
鼻のヒアルロン酸はバレたのに、不思議と顎に関しては全く笑
腫れは1週間で4割程度引き、1ヶ月で8割程度、全ての腫れが引いたのは意外と長く、2ヶ月くらいかかりました。
【顎の痺れと違和感】
術後しばらく顎の異物感と軽い痺れが気になりました。
異物を入れたので違和感は仕方ないことですが、痺れは不安でした。
稀に神経にプロテーゼが当たっていたり、手術の時に神経を傷つけたりすることがあるようなので、もしかしたら…と思いましたが、いつの間にか痺れは消えていました。
気になって触ってしまいがちでしたが、プロテーゼがズレたりしないようになるべく顎に触らないように気をつけました。
【痛み】
痛みは術後若干鈍い痛みが数日続きましたが、痛み止めを飲めばほとんど気になりませんでした。
【滑舌が悪くなる】
腫れている期間は話しにくくて、かなり滑舌が悪かったです。痛みで傷口を庇って話しているせいもありました。これも腫れや痛みが落ち着けばよくなりました。
【傷口に食べ物が詰まる】
一番辛かったのは、ご飯粒や食べ物がよく縫合した傷口に挟まってしまうことでした。
毎回爪楊枝や歯ブラシで取らなくてはならず大変でした。
今思うと、かなり縫合が荒かったと思います。糸と糸の間に隙間が空いていており、傷口が完全に塞がるまでかなり時間がかかりました。
本当に傷口がふさがる日が来るのかと、本当に不安でした。
(結果ちゃんと塞がりましたが)
他で受けてないのでわかりませんが、敢えてその縫合だったのか、ただ雑だっただけなのか未だに謎です…
顎プロテーゼを入れた感想
3ヶ月も経つと、完全に腫れも引きプロテーゼも馴染んできました。
しっかり顎もできて、横顔はEラインになり、顎の梅干しもヒアルロン酸を入れていた時よりもさらに目立たなく改善されました。
不安はたくさんありましたが、本当にやってよかったと思いました。
毎日、鏡を見るのも、写真を撮るのも楽しくて仕方ありませんでした。
その後もずっと、家族、彼氏、友達と誰一人顎の整形はバレることはありませんでした。
別件で他の美容外科(ヒアルロン酸でお世話になっていたクリニック)に行ったところ、医師に
「以前と雰囲気変わりましたね。何かされました?」
と開口一番に聞かれました。
顎にプロテーゼを入れたことを言うと、
「自然でいい仕上がりですね。上手なところで入れてもらったんですね。」
と言われました。
同業が褒めるくらいなのだから、やはり成功なのだと嬉しくなりました!
改めて私はやってよかったと思いました。